読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

男の子にも女の子にもおすすめ!『はたらきもののじょせつしゃけいてぃー』

YouTubeチャンネル「五島夕夏の絵本チャンネル」では、イラストレーターの五島夕夏さんがおすすめの絵本を紹介しています。

 

今回紹介するのはこちらの絵本です! 

はたらきもののじょせつしゃけいてぃー (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)

バージニア・リー・バートン『はたらきもののじょせつしゃけいてぃー』。

以前紹介した『ちいさいおうち』の作者さんと同じ人が描いた作品です。

こちらは『ちいさいおうち』ほどの知名度はないかもしれませんが、本屋さんなどに置いてあるとぱっと目立つ色の表紙なので、なんとなく頭に残っている人もいるかもしれません。

 

絵柄は、『ちいさいおうち』同様、細かい書き込みが特徴的。

f:id:iwamayoiko:20161115172412j:plain

きっとこの作者さんは細くものが動いていく様子や、少しずつ街が変化していく様子が好きなのではという五島さん。

一種のそうした癖というか、細々したものが好きというちょっとした変態性みたいなものを感じるとのこと。

そんなところから、この人は楽しみながら書いてるなっていうのが、『ちいさいおうち』のあと二冊目にこの絵本を知ったときに感じた第一の印象と語っていました。

f:id:iwamayoiko:20161024141233j:plain

 

トラクターのけいてぃーは、働き者で力持ちなので街のみんなから頼りにされてます

いろんな部品がついてブルドーザーになったり、物を押す力を持っていて、除雪機をつけて作業したりと、どちらかというと女の子よりも男の子心をくすぐるようなキャラクターになっています。

女の子だった(五島さん「今も女の子だけど!」)幼少時代の五島さんは、『ちいさいおうち』に対しても思ったように、周りの飾りや飾り文字にとても魅力を感じたといいます。

 

こんなふうに、けいてぃーが真ん中に描かれている周りに、ちょっとずつ動いて作業している様子が帯のようにかわいく飾られていたり、

f:id:iwamayoiko:20161115172818j:plain

本文とは別のところで、漫画のコマのようにちょっとずつ進んで説明している表現があったりと、

f:id:iwamayoiko:20161115173149j:plain

そうしたところにすごくときめいた、と当時を振り返っていました。

 

色も『ちいさいおうち』と同様、ビビットで鮮やかでかわいらしいですよね。

男の子が好むような内容やキャラクターと、女の子が好むような飾りや色が、どちらも盛り込まれている絵本になっています。

あまりに小さなお子さんの場合では伝わらない部分もあるかもしれませんが、5、6歳から小学2年生ぐらいまでの子のたちにはドンピシャにハマるような一冊ではないでしょうか。

 

内容を進めていくと、ある日街に大雪が降り、除雪車としてのけいてぃーの出番がやってきます。

すると今までずっとカラフルなページが続いていたにもかかわらず、いきなりこんな真っ白で文字だけが入っているシーンが現れます。

f:id:iwamayoiko:20161115173622j:plain

これはただたんに白い背景の上に文字をのせただけというわけではなく、次のページになると、その白い画面をさくようにして、けいてぃーがこっちに向かってくるんです。

f:id:iwamayoiko:20161115173716j:plain

一度読んだだけだと、背景が真っ白な中に文字が書いてあるという印象のまま進んでいくのですが、けいてぃーが出てきてからはこの背景が一面の雪の街に見えてきます。

けいてぃーが突き進んでいくのを見ていくと、頑張って雪を全部かきわけてほしいという、はやる気持ちでページを進めていくようになる──その切り替えのページになっています。

 

徐々に街が頭を出し少しずつ人が見えてきて、だんだんいつも通りの街に戻っていく様子を見ていくと、この街の住人みたいな気持ちでほっとして読み進めることができます。

f:id:iwamayoiko:20161024141315j:plain

最初に活躍しているけいてぃーをたくさん見せることで、応援したくなる気持ちや早く読み進めたいという気持ちをもたせ、読み手にスピード感を出させるという手法がすごく面白いと関心していました。

 

最終的には、ひともんちゃくありつつも、大活躍したけいてぃーによって美しい街が再び顔を出すといったストーリーになってるので、内容としてはとてもシンプルといえます。

しかしシンプルな中にも、文字で遊びを効かせていたり、けいてぃーの活躍の仕方にひねりがあったり、上述のような雪に見えてくる表現があったりと、ちょっとしたタネでおはなしを膨らませているという印象です。

f:id:iwamayoiko:20161024141114j:plain

こどもの頃と大人になってから見るのとではかなり見方が変わるので、一度読んだことがある方もぜひ二回三回と読みなおしてほしい、そんなタネがあるような絵本になっています!

 

またページの中には、ちいさいおうちみたいなおうちがチラッと描かれている場面も。

同じ作者さんの絵本を何冊か違うシリーズのものを買ってみると、そんな楽しさもあるのでおすすめです。

ハマったら何冊か買って、もしかしてこのキャラクターってあのときに出てきたキャラクターに似てない? なんていうのをお子さんと一緒に(または独りで)楽しむとすごくいいのではないでしょうか。

 

ということで今回は、『はたらきもののじょせつしゃけいてぃー』をご紹介しました。

動画で詳しく解説しています。ご視聴&チャンネル登録お願いします!

 

男の子にも女の子にもおすすめ!『はたらきもののじょせつしゃ けいてぃー』を紹介 前編

あのキャラも登場!?『はたらきもののじょせつしゃけいてぃー』後編