映画化もされた人気絵本『かいじゅうたちのいるところ』
YouTubeチャンネル「五島夕夏の絵本チャンネル」では、イラストレーターの五島夕夏さんがおすすめの絵本を紹介しています。
今回紹介するのはこちらの絵本です!
こちらは超ベストセラー作品で、1975年に第1刷発行されてから、なんと2016年4月時点で139回も重版されています!
絵本として知っている人も多いと思いますが、2009年に映画化もされていて、そちらも合わせておすすめです!
絵柄はトーンが暗めで、一見すると子供向けとは思えない雰囲気……。
でも子供の頃の五島さんはこの表紙を見て、「あ、なんか読みたい!」と思ったそう。
物語は、主人公のマックスくんが、ひょんなことからかいじゅうたちのいる島にたどり着くところから始まるんですが、おはなしが進む中でも、表紙と同じ暗めのトーンの絵柄が続いていきます。
しかしそんな静かな色合いや繊細な線で描かれているにもかかわらず、ユーモアのある楽しい雰囲気も絵から感じとることができるんです。
その両面性を一枚の絵で感じさせることに、五島さんは同じ絵を描く身として「プロだな〜」と関心していました!
出てくるかいじゅうたちは、五島さんいわく「結構ブサイク」。
顔色悪いし毛並みもゴワゴワでキモチワルイ……。
よく子ども向けに描かれるようなかわいらしいかいじゅうの絵と違って、全然愛着がわくような表情ではありません!
でも読み進めていくと、誰もが最後にはこのかいじゅうたちが大好きになると思います。
見た目の美しさや、強さや大きさといったところではなく、ちょっとした行動などからすぐに愛くるしくなってしまう理由が、読めば分かりますよ!
一見この絵柄とタイトルからすると、かいじゅうに襲われたり食べられそうになる内容なのかなって思いがちですが、全然そんなことなくて、逆に焦ったりドキドキハラハラしたりしながら読む内容じゃないんです。
でもいつのまにか、この全然かわいくないかいじゅうたちのことが好きになって、絵本を閉じるのがさみしくなるほどの、すごく引き込まれる雰囲気を感じることができます。
中のページには、ストーリーとして読み進めるための文章は入っていますが、かいじゅうたちとたわむれるシーンは、文字なしで全面に絵が入ったページが続いていて、それがすごく新鮮で斬新。
そのシーンでの彼らの会話や気持ちは、読んだ人それぞれが想像して、「自分だったらこんなふうにふるまうかも」とか「このかいじゅうだけちょっとさみしいのかな」とか、たくさんたくさん考える時間になっています。
一枚の絵としてもとっても美しいので、絵が好きだったり絵本を描きたいという気持ちのある人はじっくりなめるように見るとすごく発見があると思います。
背景と手前の対比だったりとか、平面的でありながらこっちに向かってるように見えるだったりとか……。ちょっとした筆の使い方にも想うことがあるのではないでしょうか。
インターネットで検索して見るというよりは、手にとってじっくり顔を近づけて見たくなるような、紙である意味がとてもある絵本です!
絵をじっくり見てみてね!『かいじゅうたちのいるところ』を紹介 後編
こちらは映画版の『かいじゅうたちのいるところ』。
絵本の世界観をそのまま映画にするのってかなり難しそうですよね。
とくにこの作品は、絵本の線や色合いが、映画になったときにどんなふうに表現されるんだろうという興味と不安があったという五島さん。
そんな中この映画を見たら、かいじゅうたちのフォルムや大きさ、想像していた質感などがかなりきれいに表現されていて、スッと腑に落ちる空気感があったといいます。
映画しか見たことのない人は原作も見てほしいし、原作のファンの人は映画も合わせて見てほしいと語っていました。
絵本、映画ともにおすすめの作品です。
最後は「あ〜なるほど!」と思えるようなオチになっているので、それも楽しみに読んでみてください!
動画で詳しく説明しています。五島さんの絵本愛を感じます。
映画化もされた絵本『かいじゅうたちのいるところ』を紹介 前編
絵をじっくり見てみてね!『かいじゅうたちのいるところ』を紹介 後編
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動画撮影後も、スタッフに作品の良さを語る五島さん……