死をテーマにふざける! ヨシタケシンスケ『このあとどうしちゃおう』
イラストレーターの五島夕夏さんによる絵本紹介YouTubeチャンネル「五島夕夏の絵本チャンネル」
今回紹介するのはこちらの絵本です。
ヨシタケシンスケ『このあとどうしちゃおう』。
『りんごかもしれない』、『ぼくのニセモノをつくるには』に続くヨシタケシンスケさん最新作。
いま最も注目されている絵本です!
内容は、図鑑のような、ノートのらくがきのような…人の頭のなかをのぞいてるみたいな感覚。
そしてこの絵本、ポップなデザインの表紙からは想像がつかないんですが、「死」をテーマにした作品なんです。
「生」や「死後」について考えたり、家族で話し合ったりするのってなかなか難しいですよね。
そんな、通常重いと思われがちなテーマが、とてもうまく作品にに組み込まれています。
主人公の男の子はおじいちゃんを亡くしたばかり。
遺品を整理していたところ一冊のノートが出てきて、そこにはおじいちゃんが死んだあとの世界のことをイラストと字でつづってあったのでした。
そのノートの中身を紹介していくという内容になっています。
おじいちゃんの頭のなかはとってもかわいくてチャーミング。
「生まれ変わったら猫になるかも」とか「こんな神様がいるかもしれない」とか、ユーモアたっぷりのおじいちゃんの想像がたくさんつまっていて、「死」がテーマだということを忘れるくらいの楽しさです。
とはいえ、単純に天国の空想を描いただけの絵本ではありません。
生きているうちに死後を想像することが、「死」と向きあうことにつながっていきます。
付録でヨシタケさんのインタビューが掲載された冊子が入っています。
そこでは、「死」とのあたらしいふざけ方や向き合い方を提案できたらと語られています。
それは五島さんがこの絵本を読み終えたときに感じたことそのままだったそうで、「ドンピシャに描けてる!」と感動していました。
五島さん自身も、おばあちゃんを亡くし、自分もいずれ死ぬのかなと思いつつも、「死」について誰かと話したり、じっくり考えたりする時間は持ったことがなかったそう。
そんなテーマを複雑に考えるでもなく、絵本一冊を気軽に読むだけで、「死」というものに一歩近づいた感覚になれる。
その意味で、絵本と「死」というテーマの組み合わせがすごくマッチしていると感じたといいます。
そんな「考える」内容が話題のこの絵本ですが、絵自体もキュートで色合いもかわいいですよね!
単純に、お部屋に飾ったら絵になるかな〜ってくらいの気持ちで手にとってみるのもアリなんだそう。
もちろん自分が死んだあとのことを考えたときや、人にプレゼントしたいときなどいろんな理由で手にとってほしい絵本です。
本屋さんでパラパラと見るだけでは伝わらないかもしれない深みが詰まった作品です。
付録のインタビュー冊子もすごくいいので、ぜひ合わせて読んでみてくださいね!
動画で詳しく紹介しています。
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